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2008年10月25日 (土)

世界の中心で雨宿りをする馬鹿一人

10/25() 今日は長い・・・

今日は朝からボルトバス($10)に乗ってフィラデルフィアに行ってきました。NYから2時間、12時前に到着しました。この街は今でこそ表舞台には出てきませんが、もともとは大英帝国におけるロンドンに次ぐ第二の都市として繁栄を誇っていました(現在は全米5位。意外に大きいんですね)。独立戦争の前後は一時新国家の首都であったことから、アメリカ建国にまつわる観光スポットが数多く存在している街です。独立を宣言した際に打ち鳴らされた“リバティベル(自由の鐘)”、独立宣言が採択された会議場“独立記念館”、第一回大陸会議が開催された“カーペンターズホール”等々。また、こうした建造物がある一帯をオールドタウンとして保存しており当時の面影を見ることができます。レンガ調の町並みと紅葉がぴったりマッチしており、時折通過する馬車の蹄の音と相まってとても素敵な雰囲気でした。

建物に入ると古い木と埃とカビがない交ぜになった少し懐かしい匂いがしました。会議場や独立宣言が起草された執務室等、当時の様子が保存されており、理想に満ち溢れた革命家達の手によってアメリカ合衆国が産声をあげた当時のことを思い浮かべることができました。ただし、アメリカの宝といっても建物は意外な程質素。確かにセンスはいいですが、木材を中心に建てられた2階建てで、華美な装飾はほとんどありません。豪華絢爛なヨーロッパの宮殿などとは比べるべくもありませんでした。逆にいうと、当時のアメリカがいかに余裕がなく、ぎりぎりのところで大帝国・イギリスと戦っていたのかを窺い知ることができます。これらの記念館の拝観料は全て無料、観光案内所も小さな博物館のように充実しており、地図や観光地めぐりのアドバイスをくれたりと、観光客にとってはとてもありがたい街でした。

さて、歴史が観光の名所ならば、食べ物の名物は“チーズ・ステーキ”(ステーキというよりはホットドッグのパンに、薄切りのビーフとたまねぎをいためて挟み、チーズをかけたもの。ファーストフードの一種です)。クラスにもフィラデルフィア出身の子が何人かいるのですが、「週末フィラデルフィア行くよ」というと一言目には必ず「チーズ・ステーキを食って来い!」といわれるくらい。特にパッツ・キング・オブ・テークスという店がNo.1だというので、いってきました。パッツは中心街から少し離れた住宅街にあるのですが、そこに着くと大勢の車と人だかりですごい熱気。あいにくの嵐の日だったのですが、その一角だけは空気が全然違いました。早速列に並ぶと店員のがなり声が聞こえてきます。「ネークスト!!(思いっきり重低音のぶっきらぼうな声を想像してください)」「ネークスト!!」驚くほど処理速度が速く、注文して5秒で品が出てきます。逆に客がのろのろするのを極端に嫌うようで、みんなネークスト言われた瞬間に即答しています。僕はがんばってメニューを覗き込み、しっかり決めていたのですが、選んだ物がまずかった。「ネークスト!」いわれた瞬間に『mushroom and pepper cheese steaks』と言おうとしたのですが、緊張してかんでしまい、案の定おばさんに「あぁ~!?」とすごまれてしまいました・・・。でも味は絶品!中から滴り落ちる肉汁と解けたチーズの味が最高にうまい。苦労して食べた甲斐がありました!

昼食が終わって、歴史観光も終わって、さて第三の目的地へ向かいます。時はすでに夕刻、嵐もますます厳しくなり街にはほとんど歩く人影もありません。途中のスラム街をびびりながらも抜けようやくたどり着いた先に見たものは、“奇妙に階段を上り下りする大勢の人々”!!そうです、ここはロッキーが勝利を目指して地獄のトレーニングを敢行した有名な階段だったのです。こんな嵐の薄暗い時間帯、すでに段上にある美術館は閉館しているというのに、次から次へと階段を駆け上ってはガッツポーズや雄たけびを上げる人々。中には本格的にトレーニングにいそしむ人物もおり、ずぶ濡れになりながらもぴたぴたのスパッツにランニングシューズで階段を“横向き”ダッシュで駆け上がり、頂上で仁王立ち!!しばし空に向かって目を閉じてから、再び階段を駆け下り夕方の街へ消えていきました。かぁっこいい~(笑)。がんばれ未来のロッキー!

階段横の茂みの中にはロッキーの銅像があり、ここでも記念写真を撮るために人々が列を成していました。私も恥ずかしながらロッキーと記念撮影をして、満足して踵を返すとそこには、馬にまたがる雄雄しいワシントン像が。今の今までこんなところにワシントンがいるとは全く気づかなかった。しかも建国の父なのに観光客が誰もいない・・・。ボクサー・ロッキーは順番待ちなのに・・・。

すげー!ロッキーは初代アメリカ大統領・ワシントンを越え、すでに伝説となっていた・・・。

1800本日の最終目的地へ向かいます!そうです、今日はメジャーリーグのワールドシリーズが開かれる予定です。15年ぶりのワールドシリーズ進出ということで街は大盛り上がりです。バスの行き先の電光掲示板にも『GO!PHILLIES』の文字が。球場へ向かう僕の頭の中では当然“ロッキーのテーマ”ソングがリピートして止まりません!(といってもチケットを持っているわけではなく、ただ雰囲気を冷やかしにいくだけなんですけどね)。地下鉄に乗るとフィリーズグッズに身を包んだ人々で赤(チームカラー)一色!ちびっ子からおじいさんまでみんな頭に「ρ(ピー)」の文字が超かわいい。電車が駅に到着すると自然発生的に拍手と歓声が沸き起こり、みんな抱き合ってから、口々に「レッツゴー!」。ノルマンディーの戦場に飛び出す海兵隊のようにみんな戦意高揚していました。こういうのいいな~。

球場に着くと、そこには大勢の人々と『World Series2008』の文字!が。ここが世界の中心なんだな~としばし感傷に浸っていると、再び嵐がやってきました。しかも最大級。傘もとっくに壊れてしまいずぶ濡れになり、軒下で雨宿りをするも、すげー寒い。みんなそんな雨にもめげずに楽しそうに雨宿りしているのですが、そんな中たった一人、確たる目的もなくじっと雨が止むのを待っている私はなんなんでしょうか・・・。やっぱり馬鹿者?まあ、そんな変な状況にいる自分も少し楽しいからいいや。その後1時間ほど雨宿りをしてから球場を後にしました。結局2130のバスに乗り、自宅に着いたのは12時前でした。試合は2時間遅れで無事開催され、地元フィリーズが勝利を収めたようです。あのおじいちゃんもちびっこもさぞ喜んだんだろうな~、よかったよかった。

念のためですが、僕はチケットがないのにフィラデルフィアいって雨宿りしてきたのではなくて、フィラデルフィアに行ったら野球がやってたので冷やかしにいったのですよ!?僕の名誉のために一応。

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