Graduation
11/6(木)
13:00オフィスに到着。あいにくの小雨と比較的暖かな南風。4ヶ月前、プログラム初日もちょうどこんな空模様で、僕のテンパが僕を苦しめたな~と思い出しながら歩いていました。あの日、大いなる期待と不安を抱えながら訪れたこのビルも今では自分の家のように親しみを覚えます。最初のミーティング、クラスメートのみんなが実年齢よりもずっと大人びて、そして心の見えないマネキンのように見えたものです。今では違って見える色々な景色も今日をもって全て見納めです。
パッキングを終え、のんびりしているとまもなくセレモニーが始まりました。一人一人名前を呼ばれ卒業証書と集合写真の入った額縁、カレンダーをもらいます。クラスメート22人の名前すべてが血の通った、とても愛おしいものとして心に響きます。カレンダーの写真を見ているとこの4ヶ月本当に色々な時間をともにすごしてきたんだな~と実感しました。それともうひとつ気づいたことは、どの写真にもセンターで半身でポーズをとり上目遣いで100点満点のスマイルを見せているスザンナ(笑)。額縁に入っている螺旋階段でとった集合写真なんてまるでドラマの製作発表ですよ。こういうのは天性のものなんだな~とすこし感心してしまいました。クラスの主演女優賞は満場一致でスザンナに決定!
18:30オフィスより少し北、トライベッカにあるブラジル料理レストランでお別れパーティです。ここでうれしいことがありました。クラスの担任的存在であるアマンダが乾杯の音頭をとったのですが、「乾杯することが二つ。ひとつめはヒロ(私です)が今日誕生日で30歳になりました!おめでとう!!もうひとつはみんな今日でプログラム卒業です!みんな本当にすばらしい成績でがんばった!トースト(乾杯)!!」と祝福してくれたことです。実はこの日は私の30歳の誕生日でもあったんです。こんなことあっていいのかな。卒業式で一番に祝福してくれるなんて本当に本当に僕は幸せ者です。今日は“プログラム”と一緒に“20代”を卒業したメモリアルデーとなりました。間違いなく人生のハイライトのひとつとして生涯忘れることはないでしょう(涙)。
さて、一次会が終わり今度はタクシーに乗ってずいぶん北の77thにあるバーに移動します。この頃になるとみんな酔っ払ってきて色々本音が出てきます。タクシーの中ではなかなか厳しい悪口大会。「あのできの悪い出しゃばりが、人事であそこの部署に行くなんてどうしても我慢できない。」等々。現実世界はドラマのように甘美なものではないようです。みんな表面では素敵な笑顔で暖かい日常生活を演じていてはいても、心では色々複雑なようです。もちろんそういった面というのはできれば目を背けたい事実ではありますが、アメリカを理解するには避けては通れないものでしょう。そういった意味では最初マネキンのように見えたクラスメートがとても暖かく親しみの持てるものと感じるようになったことが『最初の成長』だとしたら、その暖かさも一様なものではなく裏表があり複雑な人間模様の中で成り立っていることを実感できるようになったということは僕自身、『次のステップ』に進めたということなんだろうなと感じます。やっぱり自分をアピールしてなんぼの世界ですから、みんな色々なところでこびを売ろうとするし、ライバルからすればそういう行為は面白くないわけで、嫉みの対象となります。『出る杭は打たれる』ということわざは何も日本に限ったことではないんですね。日本人からするとみんながみんな理想の世界、理想の自分を演じているように見えますし、その裏で激しい駆け引きをしながら生きていくというのはどれだけ大変なことだろう?そして、本当の味方と敵はどうやって見分けるのか?、ひょっとしてみんな孤独の中でたくましく生きているんだろうか?疑問が次から次に溢れてきますが、残念ながら今はその答えを持ちえません。
バーはすごい人ごみで、みんなビール瓶片手に踊ったり、話こんだり。さっきまで散々悪口をいっていた奴らも、もうその相手と楽しそうに踊って、抱き合っています。本当にたくましい・・・。でもそんないい面悪い面含めて彼らはとても魅力的だし、僕はかれらが大好きです。彼らとの時間もこの店から出た瞬間二度と帰ることがないんだと考えると悲しくて仕方ありませんでした。夜が更けるにつれ、一人、また一人と帰っていきます。そのたびに抱き合って、再会を約束してお別れをしました。別れ際に見せたルーシーやスザンナの涙を見ていると胸がつぶれる思いがし、できることならばずっとニューヨークに留まっていたいものだと願わずにはいられませんでした。
これは、私がカードに書いてみんなに贈った言葉です。
『最高に楽しい、幸せな4ヶ月をありがとう!』


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